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Vol.46 |
世界最大のチョコレートの祭典
SALON DU CHOCOLAT PARIS サロン デュ ショコラ パリ 2006
〜 カカオの産地に思いを馳せて 〜
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世界最大のチョコレートの祭典「サロン・ド・ショコラ・パリ」。第12回目を迎える2006年は10/28〜11/1にパリエキスポで開催され、フランスを中心に世界中から約130店舗ものチョコレート屋さんが出店しました。今やアメリカや日本でも開催される世界的なイベントとなりましたが、本家パリのサロンはチョコレートを食べたり買ったりできるだけでなく、チョコレートを使ったファッションショーやカカオ産地の文化の紹介、ちびっこたちのためのチョコレート教室など、おいしい!楽しい!がいっぱい詰まっていて、家族みんなで楽しめるお祭りのようなイベントです。
※ピンクの枠がある写真はクリックすると拡大写真が表示されます。
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会場内ではシャルル・プルースト杯も行われました。審査委員長はJ.P.エヴァン氏。 |
ファッションショーを沸かせた有名キャバレー「リド」のダンサー。(チョコはシャポン) |
ファッションショーの後には会場内に服が展示されます。どれもうっとりするほど素敵。 |
今回は12回目を記念して、12人のショコラティエによるサロン限定のチョコレートボックスが販売されました。12ヶ月をテーマにそれぞれが各月をイメージして製作。3月は桜をモチーフとした「春の散歩」(マダムセツコ)、12月は「クリスマス・デコレーション」(ラ・メゾン・デュ・ショコラ)といった具合に、季節感あふれるチョコレートの詰め合わせです。この売上金は「Voix de l’Enfant」という、子供たちを支援する団体へ寄付されるとのこと。こういった試みはじゃんじゃんやってほしいですね。
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子供たちのためのチョコレート教室は連日大人気。 |
ステージでもちびっこシェフが大活躍。 |
TGV開通を記念してアルザス観光局が出展。 |
さて。わたしは今回、あるスタンドのお手伝いをしておりました。ドイツから唯一出店の「Coppeneur コペヌール」というチョコレート屋さんです。
ドイツのチョコレートというとあまり日本では馴染みがないと思うのですが、実はドイツはチョコレートの消費量・輸出量ともに世界一の国。「コペヌール」は斬新なアイデアとこだわりに満ちていて、現地では従来のドイツ・チョコとは一線を画する存在となっています。なんといってもシェフのカカオへの情熱がすごいのです。シェフ自らカカオ豆を探して世界中をまわり、みつけたカカオ豆たちの個性を生かすべく、農園限定のシングルビーンズ(1種類のカカオ豆)でチョコレートを作りました。カカオ豆から自社オリジナルのチョコレートを作るのは、手作りのチョコレート屋さんとしてはとても珍しいことです。(通常は原料メーカーからクーベルチュールを仕入れます。)
そんな心意気とおいしさに私自身も惚れ込み、ご縁があってお手伝いさせていただくことになったのでした。
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へーゼルナッツやシナモン風味などバラエティ豊かなショコラショー(ホットチョコレートドリンク)のカウンターは連日大盛況。自宅用も人気でした。 |
ワインを楽しむようにカカオの違いを味わえる農園限定のタブレット。フレーバーものでは、ヒマラヤ塩を効かせたキャラメル風味が一番人気でした。 |
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フランスでは、ブランドは関係なく試食して味が気に入ったら買うという人が多いです。ちびっこたちもしっかり自分の好みの味があるのには感心しました。 |
ドイツのテレビ局による取材が入りシェフのゲオルクに密着。公私共に仲が良いプラリュ氏とカカオ談義中。“カカオおたく”同士、話は尽きないようで。。。 |
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取材中マダガスカルブースを訪問。コペヌールではバニラやペッパーなどマダガスカルの自然素材を使っています。マダムの作る絶品コンフィチュールに舌鼓。 |
マダガスカルのお嬢さんが“ミスカカオ”に選ばれたということで報告に来てくれました。おめでとう! ゲオルク、鼻の下伸びてますよ〜 |
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今回、直にお客様と接することができてとても良い経験でした。フランスの方々にもご好評をいただいたのですが、何より嬉しかったのは日本のお客様に喜んでいただけたこと。(お立ち寄りいただいた皆様、ありがとうございました!)
「コペヌール」を日本にお届けできるよう、大の日本贔屓のシェフ共々がんばってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
* コペヌールについてはこちらをご覧ください。
コペヌールもそうですが、ここ数年サロンで感じるのは、チョコレートの原料である“カカオ豆”に注目が集まってきていること。カカオの%別や産地別のハイカカオ商品がどんどん増えてきています。会場にはベネズエラ、コートジボアール、マダガスカル。。。といったカカオ原産国のブースもたくさん出店していて、カカオの世界により深くふれることができます。
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一生懸命カカオ豆の説明をしてくれたコートジボアールのおじさま。 |
サントメ&プリンシペのブースでは生のカカオの中身を見せていただきました。 |
フェアトレードのカカオ豆を使ったチョコレートも年々増えてきました。 |
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初登場のメキシコはタバスコ地方のカカオを紹介。可愛いカカオ型マグネットを思わず購入。 |
マダガスカルのフルーツを使ったコンフィチュールのおいしさに驚愕!まさに“食べるジャム” |
ベネズエラのブースでは美しい風景のカードやカカオマス(!)をプレゼント。 |
一方、これらカカオ原産国のなかには貧困国といった側面を持っている国があるのも現実。カカオ豆を育てている人々がチョコレートを食べたことがない、という話も珍しくありません。また、自然破壊も大きな問題となっています。
私たちがおいしいチョコレートを食べられるのは、カカオ産地の人々の気の遠くなるような労力と自然の恵みがあってこそ。そのことを思うと、普段何気なく口にしている一粒が何倍も味わい深く、愛おしく感じられるのです。
WWFでは、マダガスカル他地球の 自然環境の保全に取り組んでいます。
SALON DU CHOCOLAT PARIS 2006 |
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会期 |
:10/28〜11/1 2006 |
会場 |
:PARC DES EXPOSITION |
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