世界から美味しいスイーツ情報をお届けします。 |
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Vol.47 |
世界最西端の国ポルトガルへ!
〜 ベレンで出会った元祖パスティス・デ・ナタ 〜
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「パスティス・デ・ナタ」と聞いてすぐにわかる人は、かなりのポルトガル通ですね。聞きなれない言葉のようですが、きっとみなさんも一度は食べたことがあるのでは?日本では「エッグタルト」としてお馴染みの、あのお菓子です。元々ポルトガルで作られていたパスティス・デ・ナタが当時ポルトガル領だったマカオに伝わって、その後香港などへも広がったといわれています。数年前の日本での大ブレイクも記憶に新しいですね。ポルトガルでは、簡単に「ナタ」と呼ばれることが多いようです。そのナタ発祥の店がポルトガルの首都リスボンにあり、そこで食べるナタが絶品!という話を聞くにつけ、いつか行ってみたい・・と思い続けてきたのですが(ポルトガルにはおいしいお菓子がたくさんありそうだし!)、ついにその日がやってまいりました。
※ピンクの枠がある写真はクリックすると拡大写真が表示されます。
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ジェロニモス修道院(中庭) |
青と白のタイルがポルトガルっぽい外観 |
リスボンの中心地から市電に揺られること約30分。ここべレン地区には、輝かしい大航海時代の記念物が多数残されています。その一つ、ジェロニモス修道院の近くに「パスティス・デ・べレン」はあります。先ほどナタ発祥の店と書きましたが、もともとはジェロニモス修道院で作られていたお菓子が起源で、修道院閉鎖後、門外不出のレシピを受け継いだ人物が1837年にこのお店を作ったのが始まりなのだそう。今では地元の人だけでなく世界中から人々が訪れ、週末ともなるとお店の外まで人が溢れかえるほどの人気店になりました。
店内に入ってすぐ目に入る大きなショーケースの中には、ナタをはじめとするポルトガル菓子の他、パンやキッシュなどがずらり。たくさんのテイクアウト客でごった返し、なかなか覗くことができないほどの混雑ぶりです。その場の熱気に圧倒されつつも奥へ進むと、思いのほか広々としたカフェスペースが広がっていました。
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みんな10個単位で買っていきます。 |
この奥に驚くほど広いカフェスペースが。 |
待ちに待った“元祖ナタ”との対面。焼き立てのナタが運ばれてきた途端、香ばしく甘い香りが漂います。表面にはこんがりと焼き色が付いて、見るからにおいしそう。現地風にシナモンと粉砂糖をふりかけていただきます。一口食べて、予想をはるかに超えるおいしさに、思わず「う〜ん。。。」と唸ってしまいました。とろっとろのクリームのなめらかさと言ったら・・!カスタードクリームというよりもミルククリームというのが相応しいような、フレッシュな牛乳の風味が感じられるクリームです。パイ生地はこれまでに味わったことがないほどパリパリと香ばしく、塩気がまた良い塩梅。ナタはポルトガルの各地で作られているポピュラーなお菓子ですが、この店で出会ったナタは、これまでに味わったものとはひと味もふた味も違いました。
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この店では「パスティス・デ・べレン」と名付けられている“元祖ナタ”。 |
はちみつ&シナモンのボーロ(ケーキ)。ポルトガル産のはちみつがたっぷり。 |
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400度の高温で短時間に焼き上げるそうで、そのあたりにもおいしさの秘密がありそう。修道院から受け継いだレシピは頑なに守られ、現在も仕込みを担当する数人しか知らされていないのだとか。 |
ポルトガルの風景、温かく素朴な人々・・・。たくさんの思い出とともに忘れられない味となったナタ。あのおいしさに再会するために、近い将来、またポルトガルを訪れたいと思っています。
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