地域の人々から愛されているパティスリー『とろわふれーる』は、創業20年という歴史に加え、更に新たな時代をつくり出しています。
小さな頃から、ケーキ職人であるお父様の背中を見て育ってきた横瀬将也シェフと、奥様の妙子さんがその新たな時代を担うリーダーです。
お二人とも日本の名立たるパティスリーで修行し、更にフランスの各地でそれぞれに腕を磨かれました。そのせいか、粋なフランスを感じるお菓子たちが所狭しと並んでいます。
ショーケースには常時およそ30種類の生菓子、アントルメは週末になると約15種類にも及びます。その他10種前後のヴィエノワズリー、ショコラ、焼き菓子、コンフィズリーなどなど。数え切れないほどのお菓子達からはシェフの熱い意気込みが感じられて、見ているだけでも楽しくなってしまいます。
シェフがお菓子に対して心がけていることは、『仕込みに手をかけ、仕上げはシンプル』にするということ。そう言われてみると、飾りはシンプルでも使われている素材の組み合わせや食感を大事にしているものが多く目立ちます。
つややかなグラサージュが美しい『シュープリーズ』は、滑らかなミルクチョコムースと中に入っている香りの良い紅茶のブリュレ、口の中をプツプツ踊るイチジクのオレンジ煮が見事にマッチ。加えて、素材の組み合わせ方に季節を感じさせてくれます。
★ジャルダンジャポネ
他にも神奈川県洋菓子協会会長賞を受賞した、柚子と抹茶を使った『ジャルダンジャポネ』は、柚子の爽やかさと抹茶のシャープな切れ味が、ホワイトチョコレートのやさしいまろやかさに包まれて調和しています。
★デジール
「重いクリーム」というマイナスイメージを抱いてしまいがちなバタークリームですが、その概念を払拭させてくれる『デジール』は、プラリネ風味のバタークリームの軽さとサクサクしたチョコレート生地の食感の心地よさで、新鮮な驚きを感じさせてくれました。
シェフはこのケーキの名前を付けるにあたり、バタークリームの美味しさを知って欲しいと言う希望を込めたそうです。
(『デジール
』=希望・望み:フランス語)
★トロペジェンヌ
また、「フランスでの修行時代に、身近に感じた地方菓子を紹介して行けたら・・・」とのこと。この日のショーケースにも『トロペジェンヌ』という、ブリオッシュを使った地方菓子がありました。これは南仏・サントロペ地方のお菓子で、ブリオッシュ生地にクレームパティシエールをサンドしたものです。
国内外で色々な経験をされてきた横瀬シェフ。面倒見の良いお兄さんのような雰囲気と、芯の強いたくましさや温かさが感じられる方です。お弟子さん達にも色々なこと、「とろわふれーる」でしか出来ないことを覚えていって欲しい。とおっしゃっていました。
さまざまなことに挑戦し続けているシェフのパティスリーに、地域のお客様も新しい味を楽しまれているようです。
「とろわふれーる」第2幕。
これからも目が離せないパティスリーです。