横浜線・成瀬駅北口から歩いて5分程。緩やかな坂の途中に、お洒落な街燈がぽっかりとお店を照らしています。つい足を留めてしまう、可愛らしい外観。木の風合いと黄色を基調としたパティスリーです。
こちらのお店を切り盛りされているのは、オーナーシェフの阿部政樹さんと真紀さんご夫婦。
お二人とも絵画を観るのがお好きだと言う事もあり、お店の内装もセンス良く、ほんわかした雰囲気が感じられます。
ショーケースには、常時約20種類前後のケーキが並んでおり、どれも美味しそうで
目移り、目移り・・・ (゚.゚*)(*゚.゚)
ケースの上には美しい光沢の焼き菓子たちが揃っていて、思わず生唾ゴックン。
さすが、フランスで修行された本場仕込みの腕をお持ちのシェフです。
ピティビエ、コンベルサシオン、ショソン・オ・ポム・・・。どの顔もキラキラと輝いています。コンベルサシオンは間の割れ目が笑っているように見え、つい、こちらも微笑んでしまいました。
クグロフ型が飾られた可愛らしい棚には、パウンドケーキが4種類。お手土産にもピッタリのテイストが揃っています。
★コンベルサシオン
さて、選ぶのに迷ってしまいましたが、ケーキをいくつかセレクト。
まずは特にオススメとおっしゃっていた『ノルマンディーズ』(\400)。口どけがなめらかで、中に入っているシナモン風味のリンゴとキャラメルクリームの香りを、ヴァローナ社のチョコレートを使用したビターなムース・オ・ショコラが、シャープに包んで余韻を残してくれます。
『ドミニク』(\400)もチョコムースのケーキ。こちらもヴァローナ社のビターチョコとミルクチョコを使ったムースが、スルンと口の中をすべり落ちていきます。この2種類のムースは、それぞれの香りをはっきり主張させつつもしっかりと調和。
シシリー産ピスタチオとグリオットチェリーを使った色鮮やかな層の『シシリー』(\380)や、スペイン産アーモンドとオレンジをプラスしたビスキュイに、キャラメルクリームを層にした『バール・ドール』(\380)、洋栗をふんだんに使い、サクサクメレンゲが決め手の『モンブラン』(\420)などなど、どれも心に響く味わい。
★ノルマンディーズ
『それぞれのケーキに合わせた生地を使い、ポイントになる素材を活かすことを心がけている。』との言葉どおり、素材そのものの香りを強く表現し、食感も大切に作られています。一例ですが『バールドール』は、キャラメルの軽くシャリっとした歯ざわりが感じられる、味のバランスも良い、楽しいケーキでした。
このような所からも、一つ一つのケーキに「手間を惜しまない」ポリシーを感じさせてくれます。
クラシカル、且つ新しい風を感じさせてくれるスイーツ達。
加えてその内側からは、ご夫婦のお菓子に対する誠実な思いがひしひしと感じられました。
現状に満足せず、いいものを取り入れる向上心と、基本を忘れずにオリジナリティのある作品を紡いで行こうとするシェフの姿勢は、しっかりとお菓子に反映されています。
遠出をしてでも伺いたい、そんな気持ちにさせてくれるパティスリーです。